2020 年 19 巻 2 号 p. 263-270
現在我が国ではICTを駆使して都市の諸問題を解決する交通,エネルギー,安全・安心等の分野を含めた分野横断型スマートシティの政策が進む.しかし,分野横断型スマートシティ実現には課題があり,データを活用した都市の最適化には至っていない.そこで本研究では,データの利活用方法としてサイバー空間上に都市を再現するデジタルツインシティに着目し,分野横断型スマートシティへの活用にあたっての課題と必要となるデータを整理した。その上で日本の地方中核都市と海外の先進事例と比較して,我が国の統合型プラットフォームの現状と課題を整理した.課題解決には,官民一体となった統合型プラットフォームの整備,都市活動をリアルタイムかつミクロに把握するために必要なセンシング機器の都市全体への整備,官民のデータをオープン化し,官民で共有する方策を提案した。