都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
NPO法人による空き地活用型コミュニティガーデンの設立経緯と運営方法
東京都墨田区たもんじ交流農園の事例から
新保 奈穂美
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2020 年 19 巻 3 号 p. 338-340

詳細
抄録

空き地の農的利用はその様々な機能から、有望な土地活用方法のひとつである。こうした住民主体の緑地管理は、予算やアイデアの不足に直面している自治体にも利点がある。ただし都市の農は形態が多様であり、各事例に適したガバナンスを見つけることは難しい。そのため、関係者が適当なモデルを見つけるために、事例調査の蓄積が必要である。本稿は、東京都墨田区の空き地にNPO法人が開設したコミュニティガーデンの設立経緯と運営方法に関する調査結果を報告する。インタビューと資料調査の結果、人の交流を生み出すため伝統野菜を育てる農園が開設され、自治体の補助金を受けるためにNPO法人格を取得したことがわかった。また、NPO法人格は固定資産税の問題の解決にも役立つ可能性がある。このように、NPO法人はコミュニティガーデン運営の経済的安定性の面で利点があると考えられる。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top