本研究の目的は、『東京都下における旧軍用地並に旧軍用地建物調査』から作成したデータベースを用い、30ha以上の大規模旧軍用地と30,000m2以上の延床面積を有する大規模旧軍建物を対象として、1948年当時の使用状況を明らかにすることである。進駐軍が使用していない旧軍用地や旧軍建物も比較的あり、それらは農地として使用されていたほか、主に、学校、住宅、産業用途、研究所として使用されていた。日本側による使用の特徴としては、同一旧軍用地、旧軍建物において、使用用途が混在している場合が多い点、旧軍の学校や研究所は建物用途が継承されていた点が指摘できる。また、未使用の旧軍用地、旧軍建物は限られていた。
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