2021 年 19 巻 4 号 p. 479-486
本稿では、長崎市の郊外戸建住宅団地を事例に、団地の特性と住環境マネジメント活動の実態を明らかにし、地方都市における郊外戸建住宅団地のマネジメントのあり方を考察した。結果として、1)長崎市の対象団地は開発時期と人口・世帯構成の違いから4つに類型化できること、2)郊外戸建住宅団地の多くではまだ地域コミュニティ推進の取り組みが進んでいないこと、3)地域コミュニティ活動が活発に行われている地区でも開発履歴と土地利用の違いにより活動内容が異なることがわかった。住環境マネジメントで留意すべき点として、初動期における地域問題の顕在化の有無、団地内の活動を行う空間、展開期での活動に対する自治体の介入が指摘できた。