2003 年 2 巻 1 号 p. 19-22
本研究は住民の時間的側面に着目し、地域活動の人的資源(地域資源)が潜在化している原因を探るとともに、それを顕在化させるための知見を得ることを目的とする。前半では、住民が地域活動に参加してもよいと考える時間と実際の時間との乖離を示し、後半で住民の属性別、時間帯別に地域資源の所在をに明らかにし分析・考察を行なった。主要な結論は以下の通りである。・現時点で地域活動に関わっていない住民は41%だが、今後地域活動に関わりたくないと考える住民は3%に過ぎない。地域活動に関わっていない常時雇用者なども無関心ではなく、夜間や休日などの参加を希望している。・約半数の住民は1日2時間程度の短い時間で地域活動に関わることを希望している。そのような細切れな労働力を受け入れられる活動が少ないことも地域資源が潜在化する一因である。