2003 年 2 巻 3 号 p. 95-101
本研究では、街路歩行の安全は市民の生命に関わる人権の問題である認識により制定された、韓国ソウル市の「歩行条例」とその施行計画である「歩行環境基本計画」を考察する。「歩行条例」においては、条例制定の背景となった歩行環境改善のための市民運動とその条例制定が持つ意義を、「歩行環境基本計画」においては、内容分析による特徴と計画実施後の問題点並びに課題を明らかにする。さらに日本の当局や地方自治体が、歩行環境改善を進める際の法制度の必要性と実践方法などについても提案する。