2021 年 20 巻 1 号 p. 66-72
本研究では、自治会に参加することが高齢者の主観的幸福感に与える効果について評価することを目的とした。国立市富士見台地域の3つの自治会において、役職についている65歳以上の高齢者を対象としてアンケート調査及びインタビュー調査を行い、分析した。分析の結果、自治会活動参加と高齢者の主観的幸福感は関連していることが明らかになった。主観的幸福感と関連する自治会活動の要素としては包摂度、地域内での包摂度、自治会への積極性、役職、役割感、役職の経緯が抽出された。また、自治会に参加している高齢者は他者との関係性の中でもたらされる意義、自己の中で完結する意義、日常生活の変化によってもたらされる意義の3種類の参加意義を感じていることも明らかとなった。