近年、日本政府は防災取り組みを推進しており、ハードインフラ対策のみならずソフト対策も強化している。防災目的でなく必ずしも構造的に頑強でない日常生活インフラは、防災に関する意識の喚起を通じて周辺住民の防災リスク認識を高めることが考えられる。本研究は、京都府木津川にある上津屋橋(通称流れ橋)を対象に、周辺住民が抱く橋の認識と河川認識、地域愛着、防災行動負担感、防災行動意図・実践の関係性を検証した。質問紙調査データ(n = 308)を用いた相関分析および共分散構造分析の結果、流れ橋認識が防災行動を直接促進するとともに、河川認識および地域愛着の向上および防災行動負担感の軽減を通じて防災行動に間接的に寄与することを明らかにした。