2022 年 20 巻 4 号 p. 341-347
本研究は、歴史的風致維持向上計画を策定した市町村のこれまでの取組の実態を計画内容の変更に着目して分析し、歴史的風致維持向上計画の中長期的な運用における課題を明らかにすることを目的とするものである。本研究を通じて、(1)第1期計画ではハード整備が推進され、第2期計画では後継者・人材の確保・育成を中心としたソフト事業の展開が課題となっていること、(2)今後はこうした市町村の需要の変化に対応した支援策の改善が求められていることが明らかになった。以上を踏まえ、今後、歴史まちづくりを進める上では、後継者・人材の確保・育成をはじめとするソフト施策にかかわる支援策の充実が必要であること指摘する。