都市では快適な空間を求めて再開発が行われているが、道に草木が生えていることなど、場所の歴史である「場の固有性」への配慮が欠けている。しかし、場所とは日常生活の中で形成される風景や空間であることから、その更新には、景観に配慮し場所の固有性を重視した手法が必要である。そのため本研究では、クリストファー・アレキサンダーのパターン・ランゲージを批判的に検証した上で、自らを被験者として,多くの空間を記録し、場所を学び、即興で更新する方法を試行した。その試行結果にもとづき、空間経験を深めながら明らかに出来た場所の固有性を尊重する更新の手法とその共有伝達の方法について考究した。