2022 年 20 巻 4 号 p. 399-404
近年増加する多拠点生活者を地域で受け入れるためには住民からの理解が必要である。本研究では、多拠点生活者が住民に与える影響を捉えた上で、多拠点生活者と住民の出会いを促す要素と仕組みを明らかにすることを目的とする。本研究から、多拠点生活者との出会いにより住民に非日常的な機会がもたらされ、地域の魅力を実感する効果があることがわかった。多拠点生活者と出会う機会は「サービス内容」と「20名以下規模のイベント」の2種類があり、住民参加を促す周知方法は、機会の種類・開催場所への住民意識により異なる。さらに、多拠点生活者と住民が出会う機会を増やすためには、住民から信頼される「地域仲介人」の協力を得ることが重要である。