東京都区部では市街地再生による都市化に伴い、元々低層であった街並みの中に高層がそびえ立つ地域が至る所に現れている。本研究の目的は、これらの地域を「新旧併存化地域」と定義し、その実態や特徴を把握することである。はじめに、調査対象の9区に26ヶ所の新旧併存化地域があることがわかった。二つ目に、高層と低層の位置関係より5つの類型が得られた。三つ目に類型毎のケーススタディを行ったところ、高層から駅への動線に旧建物が密接に交わるエリアにおいて、高層からの人の流れに旧建物が密接に交わることと旧建物が用途転用することは相関することが示された。今後のエリア更新に向けては、高層建築の位置や高層が抱える多くの昼間(夜間)人口を考慮した旧建物の有効活用について検討することが重要である。