2023 年 21 巻 4 号 p. 415-421
近年、まちづくりに対して行政のみでなく市民も参画する機運が高まっている。そこで、本研究では、市民活動を支援する公設民営型中間支援施設に着目し、その運営の実態と課題を明らかにし、今後のあり方を考察することを目的とした。施設へのヒアリングや取り組みの分析により、中間支援施設は、専門知識・ノウハウを活かし、各市民に寄り添った「伴走的」支援を行い、市民活動に関する資源が行き来する「交差点」のような場所であるといえる。また、施設認知度の向上、若者の利用促進、中間支援人材の育成、施設の支援をどう市の広域に届けるかといった課題があり、これらを解決しつつ、地域のニーズを掴む意識を持ち、行政と施設運営主体が堅固な関係を築くことが重要である。