日本では、市民が参加する公園づくりの前例は多いが、いずれも実際の利用との結びつきが強くなく、活動の想像に過ぎないため、完成との差があるのではないだろうか。そのため、今後は市民が使ってみる、試してみるという経験を繰り返し、「使ってみたい」という意見に共感しながらデザインを更新していく必要がある。本研究では、公園づくりの市民参加型手法の構築を目的に、滋賀県米原市西部の新都市公園整備計画の基本設計段階において、4回のワークショップを開催した。その結果、抽出された意見は「49の思い」として翻訳され、設計図に反映され、最終的には計画地を体験する市民によって設計が更新される可能性があることがわかった。以上のことから、立地や利用施設などの深い情報と、市民の要望などの表面的な情報を抽出することで、計画に反映できる手法が確立されたと考えられる。