2023 年 22 巻 1 号 p. 12-19
本研究では、福島第一原子力発電所事故から10年後における県外避難者の生活再建の実態と課題を明らかにすることを目的とし、加須市を中心に埼玉県で避難している双葉町埼玉自治会員を対象にアンケート調査を実施した。その結果、買い物環境のなどの生活環境については、福島原発事故前よりも良いと考えている者が多い。しかし、生活再建の度合いは、福島原発事故前と比べて半分にも至らないと考えている者が約半数を占めている。したがって、避難先での生活再建を長期にわたって支援することが必要であり、そのための法制度の整備・充実が必要だと考えられる。