通常、日本の大都市では、駅前などの商店街に商業機能が集中するのは当然である。しかし、商店街と住宅地が近接している地域では、両者の境界を越えて住宅地内にも商業機能が存在し、混沌とした市街地の印象を与えている。そこで本研究では、商業集積、特に駅前商店街から近隣の住宅街への商業機能の分布が雑多な印象を与えるのではないかと考え、住宅街に商業機能が多いことを雑多性として分析することで、商業集積から住宅街への商業機能の滲出という側面を明らかにすることを目的とする。本研究の目的は、商業集積から住宅地への商業機能の滲出の様相を、雑多性として分析することにより明らかにすることである。