2025 年 24 巻 1 号 p. 126-133
1950 年代の農業的土地利用や植生が表記された近畿圏の土地利用図と環境省の 1980 年代、2000 年代植生調査を活用し、植生遷移や人為的開発の空間分布を検討した。六甲山地や生駒山地ではマツ枯れの影響でコナラに遷移しており、和泉山脈では一部常緑化がみられた。植生遷移は必ずしも一方向性ではない動態性を有していた。同時に1950 年から1980 年にかけて都市周縁部の開発が進み、2000 年にかけて郊外に拡大していることが地図化された。交通網の発達や人口増加などの影響で開発が大幅に進んだと考えられる。