特定の地域に対する外部からの好意的な認識は,近年注目が集まる関係人口等の成立における重要な要素の一つになっている。本研究では、都市計画の入門講義内で受講生の好き・嫌いといった都市認識の実態を経年的に追跡した。結果、嫌いな都市は印象のみに基づいて回答される傾向にあること、京都や鎌倉などの伝統的な観光地がインバウンド混雑などにより嫌いな人が多くなっていることなどが明らかにされた。また、本調査のように自らの都市認識を探るという行為そのものが、初学者に対する双方向型の都市計画教育の一手法として簡単かつ有効な手法である。