都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
北海道・東北地方における国立大学及びその旧制前身校による旧軍施設の転用について
今村 洋一
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2025 年 24 巻 2 号 p. 216-223

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抄録

本研究では、北海道・東北地方の国立大学を対象に、旧軍施設の転用実態を整理する。空襲被害を受けた旧制学校のうち、青森医学専門学校、青森師範学校、盛岡工業専門学校、第二高等学校は、附属病院や校舎の代替施設として旧軍の兵営や学校施設を使用した。空襲被害を受けていなくても、北海道大学が旧飛行場を農場として、秋田鉱山専門学校が旧軍の兵舎や将校集会所を学生寄宿舎として使用するといったことがなされた。新制移行後の1960年代、弘前大学、秋田大学が旧校地に隣接する旧軍用地を拡張用地として取り込んで、キャンパスの集約化を図った。また、東北大学では、1950年代から約70年かけて、城址周辺の広大な旧軍用地にキャンパスを集約し、現在の広大なキャンパスが形成された。

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