2025 年 24 巻 2 号 p. 302-309
本研究では、福岡市都心部における休日の回遊行動を、一般来街者と子連れ来街者の2つの属性で比較した。また七隈線延伸前後およびCovit-19の発生前後の経年変化を分析するために、11年間にわたるアンケート調査結果を分析に利用した。天神地区における11年間の回遊行動を経年分析した結果、Covit-19の影響を受け回遊箇所数が減少傾向にあることを明らかにした。また、天神・キャナル・博多の3地区間における2022年から2024年の3か年での回遊行動の分析では、一般来街者と子連れ来街者で異なる傾向にあることを示し、特に子連れ来街者において回遊箇所数、滞在時間ともに減少傾向にあり、また地下鉄七隈線の利用割合が減少傾向にあることを明らかにした。以上から子連れ来街者にも快適に都心部で回遊できる環境の構築が重要であることを示した。