2006 年 5 巻 2 号 p. 52-62
本研究は、通勤トリップ長をより削減させることができる各ゾーンの住居及び事業所等の立地量を同時に算定できる問題の定式化を試みたものである。本研究においては、実際の通勤交通行動としてのプリファレンス曲線を組み込んだ非線形最適化問題として定式化を行った。その結果、実際の通勤交通行動の下で、通勤交通トリップ長をより削減することができる職住分布について考察することができた。本研究においては、都市規模あるいはCBD の規模、位置等の相違によって通勤トリップ長を削減する職住分布構造がどのように異なるかについても考察するため、北海道における2つの都市(札幌市及び函館市)を対象に実証的な考察を試みた。