2009 年 8 巻 2 号 p. 84-87
低炭素都市の実現には,人口の多くが住み,社会経済活動の主舞台である都市における取り組み,とりわけ民生部門・交通部門での対策が重要である.またこのような都市の低炭素化には中長期的なビジョンを持った都市計画や国土計画の役割が重要となる.そのため本研究では,まず名古屋市の民生部門を対象に,都市空間の再編及び省エネ技術導入に伴うCO2排出量の削減効果を評価するためのシミュレータを作成する.具体的には,人口及び土地・住宅・業務建物利用などのデータを用いることによって2000年から2050年までの民生(家庭・業務)部門からのエネルギー消費量及びCO2排出量を500m格子ごとに推計する.これによって,都市空間の再編及び省エネ技術導入の違いが,エネルギー消費量及びCO2排出量の削減にどの程度効果があるのかが時空間で把握できる.