2010 年 8 巻 4 号 p. 189-192
大地震や大洪水などの大災害は必ず起こり、避けることはできないが、地域住民の結束や協力によってその被害を軽減させることは可能である。しかしながら、いつ起こるか定かではない大災害に備えて地域住民の結束力を高めたり、地域住民の防災力を向上させたりするのは難しく、課題となっている。本報告で取り上げる愛媛県西条市禎瑞地区は昔から洪水の常襲地である。調査を通じて、禎瑞地区では秋祭りや植樹などの地域活動が活発に行われており、住民は積極的に参加していることが分かった。普段の生活の中で築かれた住民同士の結束力は災害時にも生かされる。またこの地区では、昔から人々が皆同じように災害で苦労してきた背景が住民の結束力の強さにつながっている。