2011 年 9 巻 4 号 p. 148-153
事前広域避難が盛んな米国における研究事例をレビューするとともに、東海ネーデルランド高潮・洪水地域協議会が提唱している事前広域避難計画について検討し、今後の研究課題について整理することで、我が国における事前広域避難実施の可能性を見出すことを、本研究の目的とした。その結果、事前広域避難の成否は「避難完了までの時間」(Clearance Time)を台風来襲までの時間よりも短くすることにあること、事前広域避難実施の意思決定を可能な限り早く行うこと、科学的な根拠を提示することが求められることを指摘した。