抄録
痙性を有する8名の片麻痺患者を対象に装具の効果について支柱付靴型装具の足継手の角度変化が膝関節に及ぼす影響やスプリングの痙性筋に与える影響, さらに各種装具装着時の効果の相違などの観点より検討を行った。足継手の背屈角度を増すことにより膝関節屈曲角が増大し, さらに腓腹筋, ハムストリングス, 大腿四頭筋の筋活動の%積分値も増大した。また, スプリングの使用により同様に腓腹筋, 大腿四頭筋々活動も増大する傾向であった。高度な痙性を有する患者に対しては支柱付靴型90゜後方制動の装具が有効であり, しかも装具装着によって筋電パターンが歩行の相に一致してリズミカルになる傾向がみられた。