理学療法学
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パーキンソニズムの立位姿勢に及ぼす振動刺激の影響
岩月 宏泰室賀 辰夫木山 喬博中條 茂伯
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1989 年 16 巻 5 号 p. 339-343

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抄録
パーキンソニズムにおける姿勢反応障害を評価する目的で,直立姿勢を保持した被験者の左右アキレス腱に40,70Hzの振動刺激を与えた後の重心の変化を検討し,以下の結果を得た。①パーキンソン群の安静時重心動揺距離と面積は健常群より有意に増加したが,閉眼/開眼比は老年群と差を認めなかった。②振動刺激停止後の重心動揺距離は,振動周波数にかかわらずパーキンソン群と対照群の間に有意な差を認めなかった。③同様にパーキンソン群では振動周波数の違いによる重心動揺距離の差はみられなかった。
以上の事から,振動刺激による抗重力筋の固有感覚系に対する撹乱は,本症の姿勢調節機構に及ぼす影響が少ないことが示唆された。
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© 1989 公益社団法人 日本理学療法士協会
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