抄録
片麻痺患者7名について,環境温25度と20度の2条件下で自転車労作時の大腿部および下腿部皮膚温の変化を測定した。安静時は両皮膚温共に健側と患側との間に有意な差は見られなかったが,運動中および運動終了後では健側と比較して患側は有意に低温となり,特に運動終了後でこの傾向が強く見られた。また,環境温20度の低温下では健側と患側との皮膚温差は一層明らかであった。
以上の結果より,片麻痺患者の運動時皮膚温は患側にて低下しており,これは運動により引き起こされた交感神経系緊張の亢進による事が示唆された。