理学療法学
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健常競技者の大腿四頭筋筋力評価について
―競技種目別による検討―
舌 正史別府 昭美大工谷 新一原 邦夫久保 恭臣
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1993 年 20 巻 5 号 p. 283-288

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抄録
健常男性の競技者343例(対象競技種目:サッカー,ラグビー,アメリカンフットボール,柔道,バレーボール,短距離,長距離)の大腿四頭筋筋力評価を行った。
CybexⅡ+を用いて60°/secと180°/secでの大腿四頭筋のピーク筋トルク値(絶対値)と体重当りのピーク筋トルク値(体重比)を測定した。競技種目別に体重比の平均値を求め,その傾向を調べた。また体重と絶対値から回帰直線を求め,その傾きの差を検定した。
体重比の平均値は,フットボール競技が上位を占め,その他の競技種目の特性も表していると思われた。回帰直線の傾きは,今回測定した競技種目中,バレーボールの傾きが最大で,柔道の傾きが最小となった。柔道は,他の競技種目と回帰直線の傾きに有意差を認めた。各競技種目の回帰直線の傾きの違いは身体重心の垂直方向への変位量(位置エネルギーの大きさ)と関係があると思われた。
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© 1993 公益社団法人 日本理学療法士協会
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