抄録
股関節手術患者(17例),健常人(10例)を対象として,股関節外転筋の最大収縮力と片脚立位時,歩行時(立脚期)の筋活動量を比較検討した。
健常人と寛骨臼回転骨切り術施行患者群の歩行時の外転筋活動量は片脚立位時の筋活動量と比較して有意に高かったが,全人工股関節置換術施行群の歩行時の外転筋活動量は片脚立位時の筋活動量と比較して有意に低かった。また,歩行時筋活動量が片脚立位時より低い者に跛行が生じる傾向にあった。
このことから寛骨臼回転骨切り術群は健常群と同様な筋活動様式を示しているため,跛行が生じにくく,全人工股関節置換術群では関節包が除去されるため,片脚立位時と比較して歩行時の筋活動量が有効に得られず,跛行の原因となっているものと考えられた。