1996 年 23 巻 6 号 p. 371-375
先天性筋線維型不均等症は,臨床的に生下時あるいはその直後より筋緊張低下,筋力低下を示し,2歳を過ぎると症状は固定,ときに改善を示すことを特徴とする極希な疾患である。今回,先天性筋線維型不均等症の女児に対して,2歳5カ月より6歳1カ月まで,主に立位姿勢を積極的に取り入れた神経発達学的治療法に基づく運動療法を実施した。その結果,2歳を過ぎても症状は固定せず,3歳11カ月に四つ這いが可能,5歳3カ月に独歩が可能となり,緩徐ながらも運動機能は発達する経過を示した。