抄録
本実験の目的は,超音波照射と持続的伸張手技が足関節固定後のラットヒラメ筋コラーゲン線維に及ぼす影響を検討することである。ラットの左足関節を3週間固定後,無作為に超音波照射群,持続的伸張群,対照群に分けた。コラーゲンの測定はヒドロキシプロリン量を定量することにより行った。その結果,持続的伸張群と対照群の比較では全ての測定項目について有意差はなかった。超音波群と対照群の比較では超音波群のコラーゲン濃度の増加と酸可溶コラーゲンの割合の増加,不溶性コラーゲンの割合の減少を認めた。これらから,持続的伸張手技は固定後のヒラメ筋コラーゲン線維には影響を及ぼさないが,超音波照射はヒラメ筋のコラーゲン濃度および可溶性に影響を及ぼすことが示唆された。