抄録
1998年11月,カナダの総合的な療育センターであるBloorview McMillan CenterとSunny Hill Health Center for Childrenで脳性麻痺児の治療プログラムと地域に根差した療育支援サービスについて研修する機会を得た。これらのサービスは,いずれも1985年前後に開始された新しいものであり,身体に障害をもつ子どもたちが地域社会の中で自分らしく生きていくことを目的としていた。理学療法士は生活に密着した支援,すなわち,子どもと家族の悩みや不安に心を配り,実際の学校生活や家庭生活に入り込んだ具体的な改善策を施していた。本稿では研修した療育支援サービスの内容を紹介し,当施設の現状と今後の課題を述べる。