理学療法学
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報告
急性心筋梗塞症例における呼気ガス分析と左心機能の関連について
―新しい心臓核医学検査法としての定量的心拍同期SPECTによる検討―
丸岡 弘久保田 章仁今井 嘉門小仲 良平柳澤 千香子押見 雅義窪田 幸生加子 恵洲川 明久諏訪 二郎細田 多穂江原 晧吉溝呂木 忠中山 彰一植松 光俊藤縄 理原 和彦井上 和久安藤 陽子
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2000 年 27 巻 7 号 p. 223-228

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抄録
急性心筋梗塞発症後の運動耐容能,特に呼気ガス分析と左心機能との関連について,急性心筋梗塞患者90例(男性88例,女性2例,平均年齢56.5 ± 9.1歳)で検討した。左心機能は発症後数日以内に施行した心拍同期心臓シンチグラフィ(シンチ)で検査し,梗塞部位での気絶心筋の有無はBMIPP/Tl二核種シンチで評価した。酸素摂取量は心臓核医学検査と同時期に実施した50m歩行負荷時と,発症後2週間を経過した時点での階段昇降負荷時に測定した。50m歩行負荷の最高酸素摂取量は,安静時の左心機能との相関を認めなかった。また心機能の改善が予測されるサルベージ群の経時的な心臓リハビリテーション(以下RH)中の最高酸素摂取量の経過(50m歩行負荷と階段昇降負荷の比)は,非サルベージ群と比べて有意に高値であった(1.78 ± 0.52 vs 1.48 ± 0.40,p < 0.01)。以上の結果から,経時的なRH中の諸動作における最高酸素摂取量の測定は,左心機能の改善を予測できる可能性が示唆された。
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© 2000 公益社団法人 日本理学療法士協会
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