理学療法学
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外側ウェッジが歩行に与える影響
―筋電図学的分析を中心に―
大畑 光司市橋 則明竹村 俊一
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2004 年 31 巻 3 号 p. 175-181

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抄録
本研究の目的は外側ウェッジが歩行中の下肢筋活動,足圧中心,骨盤の運動に与える影響について,明確にすることである。健常成人10名を対象とし,被験者にトレッドミル上を時速3kmで歩行させ,立脚期の下肢筋電図,足底圧と足圧中心移動,歩行中の骨盤中心の移動距離に生じる変化を測定し,外側ウェッジの有無により比較した。筋電図解析では,通常の歩行と比較して外側ウェッジ歩行では,長腓骨筋が立脚初期から中期にかけて有意な筋活動の増加を認めた。足圧中心は踵接地時に有意な外側変位を認め,立脚後期から有意な内側変位を認めた。しかし歩行時の側方への骨盤中心の移動には変化がなかった。本研究の結果,外側ウェッジにより,踵接地時に足圧中心を外側に変位させ,その後,腓骨筋の筋活動を増加させることが示された。
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© 2004 公益社団法人 日本理学療法士協会
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