2019 年 28 巻 4 号 p. 266-276
近年,系外惑星観測によって,ホット・ジュピターやスーパー・アースといった太陽系に存在しないタイプの惑星に関する統計的性質が明らかにされつつある.一方,太陽系探査・地球外試料分析によって,分析によって,地球型惑星や小天体に関する詳細な宇宙・地球化学データが取得されてきている.筆者は理論モデルを構築し,これらの情報と比較することでその解釈を行ってきた.本稿ではまず,ホット・ジュピターの大気散逸と内部構造,スーパー・アースの形成過程という系外惑星の研究から惑星系形成・進化の全体像に迫る.次に,地球型惑星の表層環境進化,小天体の水岩石反応と赤外スペクトルという太陽系史の研究から,惑星系一般における太陽系の普遍性・特殊性を議論する.