2004 年 31 巻 6 号 p. 359-363
本研究は,外部負荷のない端座位膝関節伸展位での等尺性収縮において,股関節内外転および内外旋肢位の組み合わせが大腿四頭筋,特に内側広筋の筋活動に及ぼす影響を検討した。対象は健常男性11名であった。被験筋は右側の大腿直筋,内側広筋,外側広筋の3筋とした。肢位の組み合わせは,股関節内外転中間位での①内外旋中間位,②20度内旋位,③20度外旋位,および股関節20度外転位での④内外旋中間位,⑤20度内旋位,⑥20度外旋位の6肢位とした。各肢位にて膝関節伸展位での最大随意等尺性収縮時の筋電図を測定し,積分値を算出した。その結果,内側広筋(VM)/外側広筋(VL)比は,股関節外転外旋位が内外転内外旋中間位より有意に高かった。股関節外転外旋位での膝伸展位等尺性収縮運動は,他の肢位と比べて内側広筋の筋活動を選択的に増加させることを示唆した。