理学療法学
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研究論文
要介護高齢者における離床時間と日常生活動作能力との関係
日本理学療法士協会国庫補助事業調査研究特別班
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キーワード: 介護保険, ADL, 高齢者
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2009 年 36 巻 7 号 p. 348-355

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抄録

【目的】本研究は,要介護高齢者の離床時間と日常生活動作能力との関連を大規模集団にて分析し,要介護高齢者が日常生活動作能力を保持するのに必要な離床時間を検討することを目的とした。【方法】対象者は要介護高齢者6,178名(平均年齢80.7 ± 8.0歳,女性65.8%)であり,3,350名(54.2%)は施設に入所し,2,828名(45.8%)は在宅生活で介護保険を利用していた高齢者であった。要介護度,および施設入所と在宅居住とで対象者を分類し,性別,年齢,疾病,基本動作能力を調整して離床10時間以上の対象者に対して,離床6〜10時間,離床3〜6時間,離床3時間未満の対象者における日常生活動作能力障害の危険度を調べた。【結果】離床10時間以上に対して離床3〜6時間が,日常生活動作能力障害に最も高いオッズ比を示し,離床3時間未満でのオッズ比が上昇しない傾向にあった。【結論】長時間の離床と良好な日常生活動作能力とは密接に関連しており,離床時間が少ない人ほど日常生活動作の自立度が低下していた。離床3時間未満でオッズ比が上昇しなかったのは,これらの対象者では起き上がり,立ち上がり,歩行の非自立者が多いこと,すなわち身体機能の低い対象者が多く含まれていたことに起因すると考えた。

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© 2009 公益社団法人 日本理学療法士協会
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