理学療法学
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症例研究
理学療法介入によりADL改善が認められた遠位型ミオパチーの1症例
渡辺 伸一岩田 淳廣田 智也横地 英博染矢 富士子
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2012 年 39 巻 3 号 p. 186-193

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抄録

【目的】遠位型ミオパチー1症例に対し,トイレ動作能力向上を目的に運動療法を実施し,改善したので報告する。【対象と方法】症例は65歳の女性,うつ病により臥床期間が続いたことで,排泄はおむつにて全介助へと低下した。徐々にうつ症状が改善し,本人から「トイレに自分で行けるようになりたい」との訴えが聞かれるようになった。これに対し,過負荷を考慮したうえで,PNFによる筋力増強訓練とトイレ動作訓練を施行した。評価は一連のトイレ動作を7相に分け,相ごとに評価した。筋力においては徒手筋力計を用い,筋厚の測定には超音波診断装置を使用した。【結果】介入4週後から筋力向上を認め,トイレ動作においては介入8週後にズボン・パンツ上げ以外の動作が自立となった。【結語】遠位型ミオパチーの運動療法では過用症候群に留意したうえで訓練を行えば,廃用の改善を含めた筋力増強が可能であると考えた。

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© 2012 公益社団法人 日本理学療法士協会
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