抄録
【目的】本研究の目的は,通院・通所高齢者の短期的な生活空間の変化に影響する因子を明らかにすることである。【方法】対象は5 施設の通院・通所リハビリテーション利用者82 名とした。5 ヵ月間の追跡調査にて,従属変数は生活空間の狭小化または常時低活動域とした。測定項目は身体機能,医学的属性,人とのつながり,自己効力感,運動能力の変化量の計測を行った。また,基本属性と個別介入回数,調査開始前介入期間を交絡因子とした。統計処理は,階層的二項ロジスティック回帰分析にて影響因子を検討した後,検査特性を算出した。【結果】交絡因子調整後も握力,自己効力感が抽出された。このモデルの感度は82.6%,特異度72.2%,陽性尤度比2.97,陰性尤度比0.24 であった。【結論】生活空間が5 ヵ月後に狭小化,または低活動域から脱却できない通院・通所者の特徴として,握力,自己効力感が低いことが示唆された。