理学療法学
Online ISSN : 2189-602X
Print ISSN : 0289-3770
ISSN-L : 0289-3770
症例報告
恒久的ペースメーカーの感度調整を行うことで,自転車エルゴメータでの心肺運動負荷試験で運動処方が行えた一例
中屋 雄太赤松 正教片山 訓博大木元 明義北岡 裕章
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 45 巻 3 号 p. 190-196

詳細
抄録

【目的】恒久的ペースメーカー留置後に不適切な心拍応答が生じた肥大型心筋症を基礎疾患にもつ症例を担当し,心肺運動負荷試験を行うことで適切な運動処方での有酸素運動を提供することができたので報告する。【症例と経過】70 歳男性,労作時に著明な息切れを生じていた。第3 病日より有酸素運動とレジスタンストレーニングを中心に訓練を進めた。【結果】第30 病日,自転車エルゴメータを使用した心肺運動負荷試験にて,変時不全の影響で突然死リスクが高い状態であることが示唆された。そこで,恒久的ペースメーカーの加速度センサーを鋭敏に変更した。翌日の心肺運動負荷試験にて,心拍応答の改善,突然死リスクの減少,適切な運動処方での有酸素運動が可能となった。【結語】自転車エルゴメータを使用した心肺運動負荷試験においても,恒久的ペースメーカーの調整を行うことで,適切な運動処方が行える可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2018 日本理学療法士学会
前の記事 次の記事
feedback
Top