2019 年 46 巻 6 号 p. 389-398
【目的】姿位の違いによる全身振動刺激が,腰椎や大腿骨頸部骨密度に与える効果の違いを明らかにすることである。【方法】①60 歳以上の閉経後女性,②腰椎および大腿骨頸部骨密度がYAM(young adult mean)値70%以上,③骨粗鬆症に対する薬剤を使用していない者を対象とした。対象をコントロール群,立位群,座位群,側臥位群の4 群に分け,全身振動刺激介入前と介入後の腰椎および大腿骨頸部骨密度の変化を比較した。【結果】郡内変化においてコントロール群の大腿骨頸部骨密度のみ減少した(P =0.02)。χ2 検定の結果,姿位の違いによる大腿骨頸部骨密度に対する効果として,座位群が他の群と比較して維持,上昇する人数が多かった(P =0.03 V =0.44)。【結論】座位による全身振動刺激が大腿骨頸部骨密度に対してもっとも効果的である可能性があり,姿位の違いによる刺激が特定部位に与える効果が異なる可能性が示唆された。