2026 年 53 巻 3 号 p. 159-167
【目的】本研究の目的は理学療法士が患者の看取り経験から自己成長感を得るまでのプロセスを明らかにすることとした。【方法】対象は,患者の看取り経験から自己成長感を得た理学療法士5名である。方法は,複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach)とし,質問紙によるアンケートと2回の半構造化面接を実施した。【結果】自己成長感を得るまでのプロセスは,第1期:看取りにかかわる基本的な理学療法知識や技術を習得するまでの学びのプロセス,第2期:看取り期に適切な理学療法を実践するまでのプロセス,第3期:看取り期に適切な理学療法の実践から成長感を得るまでのプロセスから構成されていた。そのなかで価値観・信念は「緩和ケア的自立支援の視点から理学療法を実践する」を確立させていた。【結論】理学療法士が患者の看取り経験から自己成長感を得るプロセスから提案された支援・教育方法ならびに職場・学習環境整備の提案は実践的指針となると考えられる。