2026 年 53 巻 4 号 p. 256-263
【目的】本研究は血栓回収療法を施行した急性期虚血性脳卒中患者におけるせん妄の発症率,リスク因子および改善に関連する因子を検証することを目的とした。【方法】2019~2023年に旭川赤十字病院で治療を受けた247名を対象とした単施設後方視的研究である。解析には,多重ロジスティック回帰分析および重回帰分析を実施した。【結果】せん妄発症率は25.5%であった。解析の結果,年齢,ベンゾジアゼピン系薬剤の使用,夜間不眠が独立したリスク因子として特定された。また,Thrombolysis in Cerebral Infarction (TICI)スコアおよびリハビリテーション(以下,リハ)実施時間が,せん妄の改善に関連する可能性がある因子として抽出された。【結論】血栓回収療法後の急性期虚血性脳卒中患者では,せん妄の発症率は25.5%であり,年齢,ベンゾジアゼピン系薬剤の使用,夜間不眠がせん妄の発症と関連していた。一方,良好な再灌流の達成とリハ実施時間の確保は,せん妄の改善に関連する可能性が示唆された。