論文ID: 11160
【目的】若い世代向けの予防事業として,骨盤底筋体操を取り入れた女性の健康づくり教室を行い成果を検討した。【方法】育児期23 名(年齢32.6 ± 4.9 歳,初産婦)と中年期29 名(年齢52.9 ± 5.4 歳)の女性を対象に,参加前後の自記式質問紙調査,体操記録により腹圧性尿失禁に関する知識の理解,尿もれ症状・肩こりの程度の変化,骨盤底筋体操・肩こり予防体操等の実施状況を評価した。【結果】骨盤底筋のゆるみによる症状を理解できた人は51 人(98.1%)であった。骨盤底筋体操を週3 回以上実施した人は,育児期2 人(8.7%),中年期13 人(44.8%)であり,中年期の週3 回以上実施群で尿もれ症状「有」が8 人から3 人へと減少した。肩こりの程度は中年期の肩こり予防体操週3 回以上実施群で統計的に有意に低下した。【結論】教室により腹圧性尿失禁の理解が深まった。中年期において週3 回以上の骨盤底筋体操実施による尿失禁予防効果が示唆された。