論文ID: 12273
【目的】膝前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament:以下,ACL)自己治癒モデルマウスに対する運動介入が,治癒ACLにもたらす影響を検討した。【方法】C57BL/6マウス32匹を対象にACLを切断,脛骨前方変位制動術(Controlled Anterior Tibial Translation:以下,CATT)後,4週時点から2種類のリハビリテーション(脛骨制動術の除去(de-CATT)・トレッドミル運動(Exercise:以下,Ex))を実施した。その組み合わせによりCage Activity(以下,CA)/CATT,CA/de-CATT,Ex/CATT,Ex/de-CATTの4群に分類した。損傷後8週時点で膝関節を採取し,治癒ACLの連続性と成熟度評価,また脛骨前方引き出し試験,破断強度試験を実施した。【結果】全群でACL治癒を確認した。Ex群では治癒の成熟度が高い傾向,Ex/de-CATT群で強度が高い傾向を示したが,統計学的有意差は認めなかった。【結論】自己治癒したACLに対する運動介入は治癒を阻害せず,ACLの治癒・成熟を促進する可能性を示唆した。