2001 年 16 巻 2 号 p. 87-90
本研究では、大殿筋の筋収縮増大を得るために、骨盤挙上運動(以下Br)時に上肢PNFパターンを施行した時の筋活動の状況を分析した。方法は、健常男性12名を対象に左上肢PNF(伸展-外転-内旋、屈曲-外転-外旋)パターンをBr時に施行した。なお、PNFは各2回ずつ中間域にて最大等尺性収縮を7秒間行わせ、筋電図波形を導出した。測定筋は左右大殿筋、左右脊柱起立筋とし、各筋電図は、安定している5秒間についてroot mean square(以下RMS)を導出した。得られたRMSの統計には分散分析と多重比較検定を用い、危険率は5%未満とした。結果は、右大殿筋および左右脊柱起立筋でBr時に屈曲-外転-外旋パターンを施行した方が、伸展-外転-内旋パターンを施行した方より大きい筋活動が得られた(p<0.05)。このことより、上肢PNFパターンとBrとの組み合わせは、神経生理学的には脊髄-延髄-脊髄反射の影響が示唆された。