本研究の目的は、脳血管障害患者の機能回復過程を類型化し、回復が長期にわたる群の存在を明らかにし、その特徴を示すことである。対象は131名の片麻痺患者。方法はMOA,MFS,MMS,BIの入院時、1、2、3、6か月後の値を測定し標準得点化した。調査期間を前期、後期と分け、標準得点が1/4SD以上上昇した場合を回復と定義し、回復が前後期にわたって持続したものを長期回復群とした。長期回復群の比率はBIが28%と最も高く、次いでMOA,MMSの順で、MFSが4%と最も低かった。BIの比率が高かった理由は評価尺度の違いが考えられた。長期回復群の特徴は、MFSをのぞき入院時の値は低いが、入院前期も後期も同様の機能回復を示し、6か月後には短期回復群と差がなくなることであった。
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