2002 年 17 巻 3 号 p. 175-179
手すりは高齢者の自立機能を支援する目的で重要である.しかし個々の身体状況にどのように適応させるか充分に検討されていない.本研究ではこうした状況をふまえ,個々人の機能を最大限に引き出す手すり形状開発に向け基礎資料収集を目的とした.調査では椅子座位から手すりを保持して起立する動作を想定し,把握条件と握力の関係について検討した.この結果握力は手すり径および手関節の状態に影響され変化することが示された.具体的には手関節中間位で手すり径が適正の場合最も握力が発揮され,尺屈位では握力が低下することが示された.