2005 年 20 巻 1 号 p. 75-79
理学療法を有効かつ安全に実施するためには,リスクを回避することが重要となる。リスク管理とは,単に運動療法の中止基準を知っておけばよいのではなく,予想されるあらゆるリスクを想定して,これを回避しながら慎重に介入を進めることを意味する。そのためには,日頃から患者の全身状態についてくまなくチェックするよう心がけ,不慮の事故を未然に防ぐよう心がけなければならない。本稿では,種々の神経疾患の急性期において理学療法介入を進める上で,可及的にリスクを軽減するために知っておくべきポイントについて解説した。