今回,我々は脳血管障害片麻痺患者において運動負荷試験を施行する際,短下肢装具が運動負荷時酸素摂取応答に与える影響について検討した。対象は,兵庫県立総合リハビリテーションセンターに入院した歩行可能である片麻痺を有する脳血管障害患者25名とした。運動負荷試験はランプ負荷法により自覚的症候限界域まで実施した。駆動時において麻痺側下肢に短下肢装具装着の有無の計2回運動負荷試験を行った。限界性最大負荷試験より最大酸素摂取量(VO
2 max),最大負荷量(max WR)を測定し,ΔVO
2/ΔWRを算出した。装具装着時と非装着時を比較すると,VO
2 maxは有意な差が認められず,max WR,ΔVO
2/ΔWRで有意な差が認められた。片麻痺を有する脳血管障害患者は,短下肢装具を装着することにより運動効率の向上がみられた。
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